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名前を呼ぶだけでできる楽しい口話トレーニング

Let’s Call PaBaMa

難聴者にとって口話を学習することは決して簡単ではありません。
その大きな理由の一つは、自分の発音が正しいどうかを、自分自身で確認することが非常に難しい点にあります。
一方で、口話を使わずに手話と文字だけで成長することにも大きなデメリットがあります。
言葉を視覚のみで認識して成長すると、脳が単語を記憶しずらくなったり、文字自体は見えていても、その意味を直感的に理解できない場面が起こりやすくなるのです。
本プロジェクトでは、50音の中でも特に基本的となる「ぱ(無声音)」「ば(有声音)」「ま(鼻音)」の3つの音に着目しました。この3種類の音を自由に組み合わせて発音できるようになることが、それが口話学習における最初の成功体験となり、その後の継続的な学習につながるのではないかと考えたためです。

PaBaMaは、「ぱ」「ば」「ま」をそれぞれの名前に持つキャラクターが登場する、口話学習アプリです。
呼びたいキャラクターの名前を正確に発音すると、そのキャラクターが画面に現れ、嬉しそうに手を振ってくれます。
この体験を通して、ユーザは発音できたということを自然に理解できます。
また本プロジェクトは、マルバツをつけない発音練習ができないかというチャレンジでもあります。
例えば「ぱばま」を呼ぶつもりが、「ぱ」までしか認識されなかった場合でも、「ぱ」というキャラクターは登場します。
完全な発音ではなくても反応が返ってくることで、失敗という印象で成功体験が損なわれにくい設計を目指しました。

現在、ろう学校と共同で開発を進めており、実際の授業への導入を目標に取り組んでいます。

Credit

Creative Director: 大江智之(Dentsu Lab Tokyo) | Creative Technologist: 横内丞以(Dentsu Lab Tokyo) | Producer: 伊藤晃平 / 林宏介(PYRAMID FILM QUADRA) | Technical Director: 楊上弘(PYRAMID FILM QUADRA)