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夢を見るロボット

ロボットの眠り方の研究

近い将来、ロボットは私たちの生活を支えてくれるだけでなく、日常に寄り添うパートナーのような存在になっていくかもしれません。

その時、長い時間を一緒に過ごしてもストレスがなく、むしろ安心を感じられる関係性とは、どのようなものになるでしょうか。

 

さまざまな可能性や仮説の中から、今回は「ロボットが活動していない時間」における感応的なコミュニケーションの可能性に着目しました。

本研究では、ロボットが能動的な活動を求められない待機時間や、充電中などの機能的制約を受ける時間を、単なる非稼働状態として扱うのではなく、「眠り」として捉えなおし、睡眠時の情報の発信や振る舞いのあり方について考えています。

夢を見るロボット

 

人や動物が静かに、すこやかに眠っている姿は、見る側にも自然と安らぎを感じさせます。また、眠りながらしばしば微細に動くところも、生きていることや健康であることを示す、ささやかなシグナルとして機能していることに気付きます。さらに、我々は夢に連動して体を動かすことがしばしばあります。

そこで、ロボットが寝ている間、人と同じように「夢」を見ているとし、その夢に応じて睡眠時の不随意運動を行うというインスタレーションを試みました。

睡眠中の動作を完全なランダムではなく、夢を根拠としたより自然な動作とすることで、人がロボットにより親しみや共感を感じ、共生の関係を築きやすくなるのではないかという仮説。その結果は、このインスタレーションを実際に見る体験者の実感に委ねられます。

ロボットとの感応コミュニケーション

 

一般に、ロボットの存在は不気味さや恐怖感を伴って受け取られることがあります。その理由の一つは、ロボットが何を考え、なぜそのように動いているのかが、外からは分かりにくいことにあるかもしれません。

 

本作では、活動時のロボットが経験した出来事を、待機時に夢として再提示し、その場面に応じた振る舞いを示すことで、ロボットの行動の背景を人が間接的に理解できる仕組みを提案しました。

ロボット自体があらかじめ「かわいい」造形や、親しみを喚起するような外見を備えていなくても、ロボットと人が感応的にコミュニケーションしうるかもしれません。

Credit

Creative Director: 和泉興(Dentsu Lab Tokyo) | Group Manager: 渋谷謙吾(電通総研) | Creative Technologist: 若園祐作(Dentsu Lab Tokyo) | Creative Technologist: 斧涼之介(Dentsu Lab Tokyo) | Creative Technologist/ Animator: 津野太希(Dentsu Lab Tokyo) | Animator:星さくら(Dentsu Lab Tokyo)