近年、スクリーンを「情報の窓」ではなく「空間を満たす存在」として扱う動きが広がっています。 ノルウェー国営放送NRKが放送した“12時間燃え続ける暖炉番組”が予想外の人気を集め、NetflixやYouTubeでも「焚き火」や「波」「雨音」など、ただ流れ続けるコンテンツが新たな定番となりつつあります。

人々は効率や目的から離れ、静かな光を眺め、空間の中で時間を感じる行為へと回帰しています。この傾向は、かつてスクリーンセーバーが提示した美学にも通じます。休止のためのプログラムが、むしろ視線を惹きつけた——そこには「計算機が生む偶然の詩」を愛でる文化がありました。

Coded Fireplaceはその精神をインテリアとして再構築します。エリック・サティの「家具の音楽」やブライアン・イーノの「アンビエント・ミュージック」が音と空間の間に新しいメディアを切り拓いたように、私たちはジェネラティブ・アートを「映像」と「空間」のあいだ——インテリアとして位置づけます。

Coded Fireplace (Prototype)

Size：W131 × D131 × H80 mm
Material：PETG樹脂、PLA樹脂、天然大理石
Weight：約480–1440 g（カバー素材によって変動）
Battery：5000 mAh（約3時間駆動）*駆動時間は使用条件により変動します。
Charging : USB-C
Video Out : mini HDMI
Processor：Broadcom BCM2712
特許出願中

本プロトタイプは、コンセプト検証のために開発したバージョンです。筐体にバッテリーと演算モジュールを内蔵し、デバイスの状態に応じて映像を生成、mini HDMIから出力します。各筐体にはアーティストによる独自プログラムを搭載。アートワークはデバイスごとに異なり、絶えず時間とともに変化します。現段階では既存SBC（シングルボードコンピュータ）を用いるためやや大ぶりですが、開発検証により専用ボード設計での小型化に見通しが立っています。

Coded Fireplaceは、Dentsu Lab Tokyo／BASSDRUM／NEORTの三社が共同で開発する、新しい映像メディアのプロトタイプです。私たちは現在、このコンセプトの社会実装に向け、下記のパートナーを募集しています。
なお、本プロダクトの中核技術は特許出願中です。共同検討の際は、必要に応じてNDAのうえ詳細情報をご共有します。

製品化／事業開発パートナー
デバイス設計、量産、流通、プロモーション、展示企画など、共同での実装に関心のあるメーカー／ブランドの皆さま。

コラボレーション・パートナー
空間演出、店舗・ホテル・美術館などでの導入、ブランド体験開発。

アーティスト／クリエイター
このデバイスを新しい表現メディアとして活用し、ジェネラティブ・アートの流通や展示形式を共に拓いてくださる方々。

スクリーンを「情報の窓」から「空間を満たす光」へ。
Coded Fireplaceが、アートとテクノロジーをつなぐ“次のキャンバス”になることを願っています。

この小さな装置が、未来の映像とインテリアのかたちをそっと変えていく——その一歩をご一緒できれば幸いです。

ご関心のある方は、下記までお気軽にお問い合わせください。

dentsu-lab-tokyo@dentsu.co.jp