元来、工芸は日本文化の花形であった。手に取り日常的に接する器は、日本の美的センスを押し上げてきた。しかし近代において工芸は、一部の文化的水準が高い人々から圧倒的支持を受けている一方で、一般大衆にとってはアクセスは非常に難しい存在である。
私たちは、限られた人のための美的教養である工芸を音楽というカルチャーに乗せて大衆に向けて開放することに挑戦した。壺表面の凹凸を実際のレーザーレコードプレーヤーと同じ仕組みであるレーザーセンサで取得し、壺の形や色をRGB-Dセンサで読み取りながら、リアルタイムに音楽へ変換。 ろくろを回す際にレコーディングされた作家の指先が作る凹凸やシルエット、窯で焼き締める際に自然に生まれる色合いをセンサ値から音楽へと変換した。

2021年3月から5月には、新国立美術館地階 SFT GALLERYにて、2022年12月17日から19日にはGallery 441 にて展示を実施した。