サッカーを基にした視覚障がい者スポーツ、ブラインドサッカー。このブラインドサッカーには、大きな課題があった。それは、視覚障がい者の方が、選手ではなく観客となった時に、”ブラインドサッカーを楽しむ” 試合観戦の仕組みが無いということ。
そこで、私たちは、触覚で観戦体験を拡張する三つのデバイスを開発した。

[HAPTIC FIELD]
HAPTIC FIELDは膝の上に乗せる小さなスタジアム。試合会場全体を見渡せるカメラから、ボールの位置を検知。その情報を、HAPTIC FIELD上に再現する。観戦者は、この小さなフィールドを手で触ることによって、試合中のボールの動きをリアルタイムに体感する事ができる。

[KICK TAP]
KICK TAPはFMラジオの電波を利用した、小型触覚デバイス。これまでの実況音声に、振動という要素を付け加えることで選手の躍動感をリアルに感じることができる。デバイス自体が、非常にコンパクトで、持ち運びも簡単なのでスタジアムのような、多くの人が集まる場所での配布も可能となる。

[WOW BALL]
スポーツ観戦の醍醐味は、試合の興奮を誰かと共有すること。しかし、ブラインドサッカーは、選手への影響を踏まえ、観戦中に声を出して応援することができない。
WOW BALLは、音を出さなくても空気の伝達だけで応援の盛り上がりを共有できるデバイス。チューブに複数のゴムボールが繋がれているシンプルな仕組みで、ひとつのゴムボールを押すと、別のボールが押した分膨らみ、観戦者同士の興奮を、直感的に共有することができる。